
代々木上原にある名店「按田餃子」を経営されている按田優子さんによる著書「たすかる料理」にお世話になっています。
こちらは単なるレシピ本ではなく(というかちゃんとしたレシピはほとんど載っていない)、身体と生活スタイルに馴染む自炊スタイルとは何かを紹介した一冊になります。この中に紹介されているチチャロンと呼ばれる南米料理が誰でも作れて本当に美味しいので、ぜひ試してほしいです。
チチャロンは本当に簡単で、豚バラの塊肉を塩水で茹でるのみ。その間は一切放置でいいので、仕事をしたりテラスハウスを観たりと好きなことが出来るのも魅力。
茹でていくうちに水分が蒸発していきます。すると鍋底には豚からにじみ出る油が広がり、次第に揚げ焼きのような状態に移っていきます。そうして表現をこんがりと仕上げた豚肉は塩味の効いた保存の聞く一皿に化けます。
これをそのまま酒の肴にしても良し、叉焼としてライスに乗せても良し。
これレシピだけでも本を買う価値があります。
さらにこの本は作り置きを超えた、体に馴染む保存食を教えてくれます。
実際に「按田餃子」に行ったことのある方であれば分かるかもしれませんが、彼女の料理は一見物足りないくらいの味付けなのですが、底なしの旨味と優しさで体に馴染むんです。
なぜあんな味が出せるのか気になっていましたが、本を読んでしっくり来ました。
自分のライフスタイルや体調と丁寧に向き合いながら導き出した、乾きものを活用した料理スタイルは今までのどの料理感とも似ても似つきません。
自分にとってどう料理と向き合って、どういった料理を食べるのか真剣に考えさせられる一冊です。
そして、なによりお腹がすく一冊であります。
ちなみに。ラゲーライスのレシピは再現できないか試行錯誤中です。もし成功したらこのサイトでお知らせします。